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人間魚雷をも偲ぶ 廃墟 川南造船所跡にて

先日、台風の影響も少し残る中、県内の仲間数名と伊万里市、浦崎(山代町)にある「川南工業 浦崎造船所」跡地を見学してきた。(自己責任大前提!)

ツタの這う外壁

川南造船所 外観

 

市内とは言え、家からは相当遠く、たまに通って気にはなっていたものの、訪問は今回が初めて。

テレビで長崎の軍艦島が特集されていた。あそこは、閉山後放棄した炭坑と居住地跡。ここは、また少し違った思いを抱く廃墟なのだと思う。

川南造船所(かわなみぞうせんしょ)とも呼ばれるこの廃墟、廃業したガラス工場を戦中に川南工業が買い取り、造船所としたもの。海軍向け艦艇、一般船舶はもちろん、ここでは、魚雷ベースの一人乗り特攻潜水艇(人間魚雷)、「回天」が製造されていたとされる。

その、切羽詰まった戦況下の、当初海軍自身も拒絶していた「搭乗員が帰還できない」兵器の製造と運用、特攻志願者と訓練、実戦…

海側から

海側から

当時の愛国心は確かに尊いものであったろうし、志願者の志も戦後に軽々しく談ずることはできないけれども、少なくとも、「誰かを幸せにする」発想ではなかったと反省せねばならないと感じる。当時の「お国のため」というのが一体何を指すのか。本来の「お国のため」とは何なのか…

いのちの軽視、クニ重視。震災後、原発の惨状を見聞きするたびに、この辺りが気になる。

ツタの這う朽ちた鉄筋コンクリート。

 

 

 

川南造船所 内部

内部の様子

大切な学びのできるせっかくの空間だが、確かにいつ崩れてもおかしくない。また、軽く言えば「不気味」でもある。
近隣住民の要望通り、近々解体されるそうな…。伊万里市も保存、一部保存などを含めて検討、すったもんだしたが…。いつも佐賀県というところの判断は時代にそぐわない「残念な」ものだ…。住民の一人としてどうにかしたいのだが、他の件でも何度も挫折しており、もう、正直、関わりたくない感が…。

 

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